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第二次電子マネーブームの到来
~プリペイドカード型電子マネーの新たな展開~

 ユビキタス社会に向かう今、これまであたりまえと思われていた日常の生活シーンが大きく変わりつつある。この中でもとりわけ大きなものが電子マネーの登場だ。

 店頭、あるいは自販機、券売機の前で、もはやポケットの中の小銭をさぐる必要はない。現金を電子情報に置き換えた電子マネーを使えば、釣り銭のやりとりもなく、迅速に支払いを済ますことができる。そんな電子マネーの利用可能な分野が着実に拡大している。


 ユビキタス社会の新通貨=電子マネーは、広義には、ネッティング(ネット上での資金相殺)をはじめとするB to Bの電子決済などを含む幅広い概念である。ただし、通例は、カード型電子マネー(キャッシュカード大の電子ウォレット的なもの)をさして言われることが多い。

 この狭義の意味でのカード型電子マネーは、さらに、ネットワーク上で振り込みや自動引き落としなどの支払いを指図して資金移動を行うアクセス型と、あらかじめ現金価値を電子情報に置き換えカードに蓄積して使用するプリペイド型に大別できる。

 今回は、日常の買い物と密接に関係するプリペイドカード型電子マネーをとりあげ、活用の方向について考えてみたい。



多機能ICカードが電子マネーの普及を後押し

Suica定期券/Suicaイオカード
クレジット機能付きICカード「ビュー・スイカ」のほか、Suicaマーク付きの「Suica 定期券」や「Suicaイオカード」でも電子マネーでのショッピングが可能。これらSuicaの電子マネー搭載カードはすでに 100万枚超発行されている

 1990年代後半、世界各地でさまざまな電子マネー利用実験が展開された。日本でも、「ビザ・キャッシュ」や「モンデックス・マネー」など海外発の電子マネーはもちろん、国内金融機関を中心とする独自の電子マネー実験プロジェクトが多数立ち上げられた。

 こうした90年代後半の動きを第一次電子マネーブームとするならば、昨年からの動きは「第二次」電子マネーブームということができるだろう。ソニーやトヨタ自動車、東京三菱銀行など国内企業57社が出資するビットワレットの「Edy(エディ)」や、東日本旅客鉄道(JR東日本)の「Suica(スイカ)」など日本発の大きなビジネスが立ち上がり、カード型の電子マネーを実際に目にする機会が急増している。

 しかも、第一次ブームでは電子マネーの利便性の検証に主眼が置かれていたのに対し、今回のブームでは、「使い方」が極めて多様になっている。電子マネー単体ではなく、他の用途との複合化が一気に進み、ビジネスの幅が大きく拡大しているのだ。

 電子マネーの定義を堅苦しくいうと、「現実に流通している貨幣価値に裏付けられた電子的な価値情報で、支払のための代替手段として利用し得るもの」(ECOM)ということになる。つまりは「お金として使える電子データ」ということなのだが、電子データという形のないものを持ち歩いて使おうとすれば、そのための"財布"が必要。先に述べた狭義の電子マネーとは、実のところ、この財布にあたるものだ。

 電子財布は、磁気ストライプカードから、偽造や変造のしにくい非接触型ICカードへ、さらに使い勝手の良い非接触型ICカードへと進化してきた。

 一方、銀行カードやクレジットカード、社員証や学生証なども、より幅広い利用を目ざして情報記載量の多いICカード化が進んでいる。これらICカードに搭載されるCPU は、ひと昔前のパソコン並みの能力をもつ。

 電子財布だろうと、こうした既存カードのIC版だろうと、別に中のチップがまったく違ったものであるわけではない。つまりは、一枚のカード上で電子マネー機能を含めさまざまな機能の相互乗り入れが可能なわけで、これが現在急激に進みつつあるカードの多機能化の技術的な背景となっている。

 例えば、みずほ銀行は、今春から取引先企業の社員向けに電子マネーEdyを搭載した多機能型ICキャッシュカードを発行する。Edyは01年から展開されている電子マネーで、カード発行枚数は約 350万枚、利用可能店舗(加盟店)は約3500店舗(04年 3月現在)。

 これまで社員食堂など利用場所を限定した電子マネー搭載の銀行カードはあったが、広く一般店舗で使えるものはなく、市中で広く電子マネーを使える銀行カードとしては同カードが先陣を切ることになる。

 だが、電子マネー機能と他のカード機能の一体化を代表する事例といえば、なによりJR東日本の鉄道カードSuicaということになるだろう。現在、Suicaの発行枚数は 830万枚(04年3月現在)。うち、クレジット機能付きの「ビュー・スイカ」については昨年秋から電子マネー機能を搭載し利用拡大をはかってきたが、今春からは、加えて「Suica定期券」や「Suicaイオカード」でも電子マネーが使えるようになった。

 鉄道カードは日常的に使われるカードであるだけに、Suica全体への電子マネー導入は首都圏における電子マネーの普及の起爆剤となると見られている。

JR東日本~駅全体を電子マネー利用可能エリアに~

半、すでに数多くのお客様がSuicaにチャージ(入金)し、鉄道利用に使っておられます。今回、そのチャージがそのまま買い物や飲食時の支払いに使えるようになるわけです。

 しかも、支払いでは自動改札と同じように端末にパス入れごとカードでタッチするだけ。自動改札で受けられている利便性を飲食・物販の世界でも感じていただけるはずです」

 JR東日本総合企画本部の祖山智幸氏はSuicaによる電子マネー利用の特徴をそう話す。

 同社の電子マネーへの取り組みは、磁気カード型のプリペイド型乗車券を非接触ICカード型に転換すること決めたことに始まる。非接触ICカードであれば自動改札機の故障が少なく、メンテナンスの実施周期延長などのコスト削減につながるという判断からのICカード化だった。

 

 「我々としては、Suicaをできるだけ多くのお客様に持っていただきたい。それが鉄道利用の拡大や経営コストの削減に寄与します。そのためには、Suica自体を多機能化して利便性を高めていくことが重要だと考えています。電子マネー機能搭載も、その一環です。

 加えて、当社はグループ会社を通して駅構内での飲食・物販の運営など幅広い生活関連サービス事業を展開しています。電子マネーの導入は、これら店舗にとっても客回転率の向上や現金ハンドリングコストの削減をもたらすと期待しています」

 確かに、駅構内店を見ると、時間帯によってはレジを待つ人の列ができていることも少なくない。そんな状況を見て、買い物や飲食をあきらめてしまう人も多い。だが、電子マネーであれば、一人当たりの決済時間が短くなり、レジでの待ち時間も少なくなる。

 事実、JR東日本では、電子マネー・サービスの展開にあたり、利用可能店舗の照準を駅構内店に合わせてきた。現在、Suicaの電子マネー利用可能店舗は、東京圏や仙台圏の64駅の 196店舗( 3月22日現在)。今夏までに、東京駅だけで71店舗、Suicaエリア全体では計 536店舗に拡大していく意向だ。

Suica専用端末
使い方は自動改札機を通過する時と同じ。
店頭レジに設置された読み取り機に
カードをタッチして料金を支払う。
パスケースにいれたままでもOK。
何かと気ぜわしい駅での買い物が手早くすむ。
カードへの入金は駅にある入金機で行う

 同社の電子マネー展開の根幹に、駅構内に特化するというエリアマーケティング型の発想をみることも可能だ。

 電子マネーが利用できる店舗が散在している現在、せっかく電子マネーを手に入れても、なかなかそれを使うお店に出会えないという問題がある。しかし、少なくとも「駅構内では確実に使えます」ということを明確に打ち出すことができれば、かなりの解決になる。加えて「JR東日本の駅」ならではの独自性を確立することも可能。結果、駅構内消費の活性化が進むことが期待される。

 

 とはいえ、Suicaによる電子マネー利用自体の事業性という観点から考えるなら、駅構内だけにとどまっているというのは長期的には必ずしも得策ではない。やはり広く一般に使われてこそ、電子マネーとして十分な決済量が確保でき、収益性も、他の電子マネーに対する競争力も強化できるからだ。

 

 「もちろん、我々はSuica利用の拡大に資するからという理由だけで電子マネーを手がけてはいません。決済サービス分野における新事業として育てていこうと考えています。

 ただ、まだまだ電子マネーは日本社会に根づいていない。そこで、まずは"エキナカ"(=駅構内)というクローズな空間を活用し、『駅ならば電子マネーが使える』という状況をつくっていく。駅での利用を通して電子マネーが普及していけば、必ず駅外でも使いたいという人が出てきます。

 そんな流れをつくった上で、市中店舗への展開をはかっていくということです」

 加えて、同社のグループ会社ではSuica入館証システム事業などもスタートさせている。「鉄道で使ったカードが入館証・入室証にもなり、電子マネーの財布としてショッピングにも使える。そうした総合的利用も今後の方向としてある」と話す。

 将来的にはパスネットやバス共通カードなど他の交通カードとSuicaの相互乗り入れ、あるいはコンビニや携帯電話など社会インフラと連携したSuicaによる電子マネー利用の展開も視野に入っている。

ANA~差別化戦略の核としての電子マネー導入~

電子マネー機能を搭載した
「ANA マイレージクラブ Edyカード」
ANA 発行の提携クレジットカードを含め
約50万人のマイレージ会員が
電子マネー搭載カードを持つ(04年 3月現在)
なお、同カードもSuicaと同じく、非接触型ICカード

 一方、顧客の維持・拡大のための戦略ツールとして既存電子マネーを活用しているのが、全日空(ANA)だ。

 同社は、昨年 6月から自社で発行する「ANAマイレージクラブ」会員カードや提携クレジットカードへの電子マネー機能搭載を積極的に進めてきた。その目的は、新たな顧客サービスの展開にある。

 新サービスの一つは、マイレージクラブ会員が搭乗距離や提携店舗・ホテルでの利用金額に応じて貯めたマイルの電子マネーEdyへの交換。1万マイル貯まればEdy1万円分に交換でき、マクドナルドやam/pm、全日空商事空港ショップ、ANAホテルズなど全国のEdy加盟店での支払いに使える。もう一つが、Edy利用に際してマイルを付与するサービス。会員がEdy加盟店での支払いにEdyを使うと200円につき1マイル獲得できる。

 

 「今年4月には日本航空と日本エアシステムが完全統合し、航空業界の競争環境が激変しました。これまで当社は国内航空路線では優位性がありましたが、これからは路線シェアも当社と統合会社でほぼイーブンとなる。また、運賃面でもさほど差がない。そうした中で、いかに当社を選んでいただくか。

 アンケートを見ても、航空会社を選ぶ際にお客様が重視するポイントは、運賃やダイヤと並んで、マイレージ・プログラムとなっています。このマイレージ・プログラムで他社との差別化をはかっていきたい。そのための電子マネー導入でした」と、顧客マーケティング部の村田加奈子主席は語る。

 一般のマイレージ・プログラムは、飛行機に乗って貯めたマイルを当該会社の航空券に換える、いわば自家消費型。しかし、ANAは、貯めたマイルの使い道に電子マネー利用という新たな領域を追加するとともに、日常生活における電子マネーでの購入でもマイルが貯まるという独自のスキームをつくりあげたわけだ。 こうした同社の提案は、ANAマイレージクラブ入会への強いインセンティブとなり、月10万人規模で会員が増加している。また、ロイヤル・カスタマーの囲い込みにも貢献しているようだ。

 「頻繁に当社をご利用いただいているお客様ほど、お持ちになっているマイルをEdyに交換する比率が高い。

 これまで、こうした方々には『いつも飛行機に乗っているから』と、貯まったマイルを航空券に交換なさらない傾向が見られました。そこで、自転車やバッグなどマイルで交換できる商品や、ANAホテルズでの宿泊・飲食などのご利用券をご提供させていただいていたのですが、そこにもう一つ、電子マネーに交換できるという新たな選択肢が加わった。

 それによって、マイルを貯めて使うという楽しみをよりご提供できるようになり、顧客との関係強化にもつながっていると捉えています」

 しかも、Edyは実店舗だけでなくネット上の加盟仮想店でも使える電子マネー。近年、航空券の予約・決済をネットで行う人が増えており、そうしたネットユーザーにも独自のサービスとしてアピールしやすい。

 村田主席は「数あるカードの中で、最後の一枚として生き残るカードを目指す。そうなれば、おのずと当社の飛行機を選んでいただける」と話す。


広範囲な活用が見込まれるプリペイド型電子マネー

業務の改善、マーケティング強化につながる電子マネー導入

貯めたマイレージを電子マネーに交換するときは、
空港などに設置されている
マルチメディア端末「ANA WEBKiosk」(写真)か、
専用カードリーダー「パソリ」を使ってネット上で受け取る

 紹介事例でも明らかなように、プリペイドカード型電子マネーは、利便性の検証から、いよいよ活用段階へと入ってきた。読み取り機やICカードの価格自体が安くなっているなど、企業側にとっても電子マネー対応をはかりやすい環境も整いつつある。

 では、電子マネー導入は、企業にどのような効用をもたらすのだろうか。

(1)レジ業務のスピード化

 そもそもプリペイドカード型電子マネーの誕生には、わずらわしい現金交換を電子情報のやりとりで簡略化するねらいがあった。そうしたキャッシュレスの支払いは、結果的に顧客への利便性を提供する。同時に、店舗運営側にはレジ処理業務の簡素化をもたらす。

 例えば、外食産業や小売店舗などの売上は客がレジに並ぶ時間に大きく左右され、一人あたりのレジ処理時間をいかに縮めるかが大きな課題となっている。釣銭の受け渡しを必要としない電子マネーであれば、レジ処理の迅速化に大きく貢献する。

 ことに非接触型ICカードの電子マネーの処理スピードはより早い。コンビニのレジ精算などでは平均40秒程度を要し、うちの10秒は代金やお釣りの受け渡しだと言われるが、非接触型ICカードを使っているEdyでの精算では、その10秒が 1秒以下となることが実証されている。

 また、従来の現金交換は、店舗側にさまざまな負担を強いる。釣り銭の用意に始まり、集計し、銀行に預けるといった業務や、それにともなうコストが日常的に発生してくる。電子マネーであれば、これらのコストの軽減がはかれる。さらに、電子マネーの導入は会計処理の簡素化や、レジ部門の縮小など人件費削減にもつながると思われる。

(2)顧客獲得機会の創出

 電子マネー自体は、あくまで決済の一手段だ。しかも、小額決済中心。例えば、Suicaのチャージ上限額は2万円だが、実際に利用者がチャージする金額は3,000~5,000円がほとんど。一回あたりの支払い金額も数百円単位である。ANAの場合も、Edyでの航空券購入には対応していない。

 それにもかかわらず、なぜ両社が電子マネーに積極的に取り組むかといえば、電子マネーという顧客へのインパクトの強いツールを使って、集客や顧客の拡大につなげていこうとしているからだ。

 ともすれば、これまでの電子マネー論議では、電子マネーの利便性ばかりが強調されてきた。しかし、電子マネーには、小額決済という日常生活で幅広く見られる行動が企業との接点になり、顧客との関係づくりに貢献するということに活用の本質があるのかもしれない。ぜひ、マーケティングツールとしての電子マネー活用に着目したい。

 このいい例が、駅空間に重点をおいたSuicaの展開に代表される、エリアマーケティング型の展開だ。電子マネーが使えるということで、そのエリアの差別化がはかられ、集客力が向上する。これについては、JR東日本に加え、福岡の九州最大の繁華街・天神地区がEdyを導入し、町おこしに活用するなど、先駆的な事例が出てきつつある。

(3)CRM的な活用

 新規顧客の獲得の次にくるのが、既存顧客との関係強化のためのツールとしての活用だ。近年、「関係性マーケティング(CRM)」「ワンツーワンマーケティング」が注目されているように、企業存続のために顧客との信頼関係構築が何より課題になっている。いかに個々の顧客と強い信頼関係を醸成し、誠実に再購入・再利用してくれる優良顧客を維持・拡大していくか。その展開ツールとしても、電子マネーは、大きな可能性を秘めている。

 理由は簡単である。電子財布型のICカードは、それぞれのカードの個別識別が可能。そのため、取引の際に、どんな顧客かを確認したうえでサービス展開をしていくことができるからだ。

 たとえば、流通業や外食産業では、電子マネー対応店舗などで、月間の買上金額に応じて翌月の割引率を設定、あわせてポイント制を導入することによって、顧客満足を高め、固定客の来店頻度を増やそうとしているケースが出てきている。

 将来的には、個々の顧客の購買履歴を活用したデータマイニングとそれを基盤としたデータベースマーケティングの展開といった方向もあるだろう。すでに、ポスレジなどと連動させて電子マネーでの支払いから売れ筋商品のデータをとるような動きもでているし、また、まだ社員食堂レベルだが、料理皿にICタグをつけ、電子マネーでの支払いと連動させるというシステムも実現している。

 どんな顧客が、いつ、どんな商品を購入したかというデータがリアルタイムに集積されるようになれば、そのマーケティング上の利用価値は計り知れない。

電子マネー社会を見据えた、いち早い対応を

 もちろん、電子マネーは、まだまだ台頭期。利用可能店舗にしても、ここにきて幅広い業種・業態に拡大してきたとは言われるものの、いまだ一般化したとはいえない状況だ。

 しかし、EdyやSuicaに代表されるプリペイドカード型電子マネーの急速な普及をみれば、現金の利用自体が減っていくという時代が到来していることはまちがいない。今後、携帯電話などモバイル端末への電子マネー搭載も進んでいく。

 「2 、3年後、電子マネーはかなり普及しているのではないか。でも、その時点で始めたのでは遅い。差別化戦略のためには早く取り組む必要があった」とは、ANAの村田主席の言葉だ。

あなたの会社は、電子マネーにどんな新しいビジネスモデルを見つけられるだろうか。




以上 wisdomから引用

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